Minimoog Voyager Performer Edition
特徴
仕様
Minimoog Voyager Performer Editiionは1台ずつ手作りされており、オリジナルMinimoogの特長とすばらしい音を組み込んだ、全てアナログのシンセサイザーであり、それに加えて多くの新たな機能上の改善点がデザインに反映されています。そしてMinimoog Voyagerは、オリジナルのMinimoogと同じく、シンセサイザーの先駆者であるボブ・モーグ氏によってデザインされ、この世に生み出されたのです。
Minimoog Voyager Performer Editiionはモーグの伝統を受け継いだMinimoog Voyagerです。格好良くカスタム・フィニッシュされたアッシュ材がサイドに付いた、丈夫な鉄のシャシーの中に収まっています。そして44鍵のFatar鍵盤、ブルーに光るピッチ/モジュレーション・ホイール(*)の存在感も抜群で、Voyagerシリーズの頂点にふさわしいものです。
*ピッチ/モジュレーション・ホイールはブルーに光るタイプ(写真参照)、グレーの2種類のモデルがあります。
主な特徴
- 100%アナログ・シンセ
- 3つのウルトラ・ステーブル・オシレーター
- 2つのラダー・フィルター
- 2つの4段階のアナログ・ジェネレーター
- 2つのフレックス・モジュールバス
- X/Y/Aのタッチ・コントロール・インターフェイス
- 800以上のプリセット
- CVゲート・ポート
Minimoog Voyagerユーザーアーティスト
Herbie Hancok, Rick Wakeman, Chick Corea, Bernie Warrell, Brian Eno, Stevie Wonder
主なアワード
- キーボードマガジン「Key Buy アワード」
- Future Music Magazine「プラチナ賞」
- Music Tech Magazine「エクセレント・アワード」
- Mix Magazine「TEC・アワード」
- Electronic Musician Magazine「エディターチョイス・アワード」
Minimoog Voyagerはモノフォニックのアナログ・シンセサイザーです。 このシンセサイザーは、1970年から1982年にMoog Music で生産された伝説的なオリジナル Minimoog Model Dの機能とサウンドを再現し再構成したものです。さらに、新しい機能として、3次元のタッチ・パネル、MIDI機能、広範囲なパッチ機能などを備えています。
信号はまず、3つのワイドレンジかつ、安定性の高いVCOで生成され、加えてノイズと、外部オーディオ入力のためのプリアンプによって構成されます。この信号は、変調器として用意された、2種類の“Moog”ローパス・フィルターと1つのVCAでサウンドとして完成されます。変調は、2つのADSR用EGと、1つのマルチウェーブLFO が用意されています。コントローラーとしては、ベロシティとアフター・タッチ付きの44鍵キーボード、ピッチ・ベンド、モジュレーション・ホイール、3次元タッチ・パネルと、多くのコントロール/ペダル入力ジャックが用意されています。
Performer Editionのキャビネットは木目を生かしたフィニッシュでクラシックな雰囲気です。
Oscillators Module(オシレーター・モジュール)
3つのワイドレンジ、連続して可変する波形選択付で安定性の高いVCO
- FREQUENCY(2):オシレーター1を基準として、オシレーター2と3の周波数を+/-7半音レンジで可変設定する。
- OCTAVE(3):オシレーターをオクターブ・ステップで6オクターブの範囲で設定する。
- WAVE(3):オシレーターの波形を連続的に可変選択する。三角波>鋸歯状波>方形波>矩形波
- 1-2SYNC switch:オシレーター2の波形をオシレーター1の周波数にシンクさせる。波形が複雑に変形され劇的な音色変化が得られる。
- 3-1FM switch:オシレーター3でオシレーター1をリニア周波数変調する。
- 3KB CONT switch :オシレーター3のキーボード・コントロールを切る。これにより一定音(周波数)の効果として使用する。
- 3FREQ switch :オシレーター3の周波数を低周波に切り替える。重低音やLFOのソースとして使用できる。
Mixer Module(ミキサー・モジュール)
フィルターに入力する前の5入力のミキサー
- Input Level(5):3つのオシレーター、ノイズ、外部オーディオ入力の相互のレベルを調節する。
- Input switches(5):各オーディオ信号を素早くオン/オフするためのスイッチ。
- External Level LED :外部オーディオ信号のレベルをチェックするためのLED表示。
Filters Module(フィルター・モジュール)
2つの“Moog-style”レゾナンス付きローパス・フィルター。2系統のローパスか、ハイパス/ローパスの切り替え。2系統ローパス・モードでは各出力チャンネルに並列で働きます。ハイパス/ローパス・モードでは、2つのフィルターが縦列に並びます。
- CUTOFF :2つのフィルターのカットオフ周波数を可変設定する。
- SPACING :2つのフィルターの周波数間隔を設定する。+/-3オクターブの範囲で設定可能。
- RESONANCE :2つのフィルターのレゾナンスを調節する。発振ナシからフィルターによる発振まで可変。
- KB CONT AMOUNT :キーボードのレンジに対してフィルターの周波数をその程度比例させて開くかを設定する。
- DOUBLE LOWPASS / HIGHPASS・LOWPASS switch: 2つのフィルターを2つのローパスで使用するか、ハイパスとローパスの組合せで使用するかを切り替える。
Envelopes Module(エンベロープ・モジュール)
エンベロープ・モジュールは2つのADSR(アタック、ディケイ、サスティン、リリース) エンベロープを発生します。フィルター・エンベロープはフィルターのカットオフ周波数をスイープし、またオシレーター波形の変調にも使用でき、ボリューム・エンベロープは発音の状態を形成します。
- ATTACK(2):エンベロープのアタック時間を決定。
- DECAY(2):エンベロープのディケイ時間を決定。
- SUSTAIN(2):エンベロープのサスティン・レベルを決定。
- RELEASE(2):エンベロープのリリース時間を決定。
- AMOUNT TO FILTER はフィルターのカットオフ周波数がエンベロープによってどれ位の範囲でスイープするか、ネガティブ(反転のエンベロープ)からポジティブ(正相のエンベロープ)まで連続的に調節。
- ENVELOPE GATE switch :エンベロープの起動を、キーボードでするか外部入力のゲートで行うかを切り替える。
LFO Module(エル・エフ・オー・モジュール)
LFOは三角波、矩形波、サンプル&ホールドと、それを滑らかにした波形を発生し、信号各部の変調に使用します。
- RATE :LFOの周波数(レート)を0.2ヘルツから50ヘルツのレンジで調節。
- SYNC :LFOをキーボード、またはMIDIのゲートにシンクさせるか、またはシンクさせないかを選択。
- RATE LED :LFOのレートをヴィジュアルに表示。
Modulation Busses Module(モジュレーション・バス・モジュール)
モジュレーション・ホイールと外部ペダルのバス(経路)の、ソース(信号)、デスティネーション(変調先)と、信号のコントロール・ソースを設定します。
- SOURCE(2):モジュレーション・ソースとして、LFOの4つの波形、オシレーター3、外部変調入力の何れかを選択。
- DESTINATION(2):モジュレーションの変調先として、ピッチ、オシレーター2、オシレーター3、フィルター、オシレーター波形、LFO/PGMのいずれかを選択。
- SHAPING(2):キーボードのプレッシャー(アフター・タッチ)、フィルター・エンベロープ、外部モジュレーション・コントロール入力のいずれかで、モジュレーションの信号をコントロールするか、またはしないか(オフ)を決定。
- AMOUNT(2):各バスのモジュレーションの量を調節。
Output Module(アウトプット・モジュール)
フィルターに入力する前の5入力のミキサー
- MASTER VOLUME control :オーディオ出力の最終レベルを調節。
- HEADPHONE VOLUME control :ヘッドフォン出力のレベルを調節。
- HEADPHONES jack : 1/4インチのステレオ・ヘッドフォン・ジャック
Glide , Fine Tune Module(グライド、ファイン・チューン・モジュール)
- GLIDE (ポルタメント):演奏された鍵盤間の音程変化のスピードを瞬間から数秒まで調節しグライド効果を設定。
- FINE TUNE :本機全体のチューニングを調節。
Program Interface and MIDI Capabilities(プログラム・インターフェースとMIDI機能)
- パネル上、中央にはプログラム・インターフェース部がLCDディスプレーとともに設けられ、パネル設定をFINE TUNEを除き、プリセットとして記憶し、呼び出すことができます。また、メニューによって、プリセット、MIDIなどに対し追加機能が使用できます。保存できるプリセットは7バンク896プログラムです。(※Software V3.3以降が必要)
- フロント・パネルのパラメーターをMIDIでコントロール可能:
- フロント・パネルのパラメーターの設定をMIDIで出力:
- キーボード情報のMIDI入出力:キーボードの演奏はベロシティ付きポリフォニックでMIDI出力されます。 受信した演奏情報はモノフォニックに変換処理されます。
- プログラムのMIDIダンプ/ダウンロード可能
- オペレーティング・ソフトのMIDIによるアップデートに対応:Moog Music のサイトでオペレーティング・ソフトをリリース、MIDIファイルでアップデートを可能にします。
Player Control Interfaces(プレーヤーインターフェース)
- 44鍵キーボード: ピッチ、ゲート、ベロシティ、キー・プレッシャー情報を発生
- WHEELS :キーボード左手のピッチ・ホイールは+/-1オクターブまでのピッチ・ベンドをコントロール。モジュレーション・ホイールはモジュレーション・ホイール・バスのゲインをコントロールします。
- GLIDE / RELEASE: キーボード左手のGLIDEスイッチはグライドの瞬時のオンオフを切替。RELEASEスイッチはリリースのオンオフを瞬時に切り替えます。
- TACTEX TOUCH SURFACE: TACTEXタッチ・パネルは、上下左右の位置情報と押す力の情報を総合して3つの連続可変のコントロール信号を生成し、フィルターをコントロールします。
Rear Jack Panel(リアパネル)
PEDAL/CONTROL INPUTS(ペダル/コントロール入力)
下記の10個のジャックは赤いナットが使用されています。これらは、外部のエクスプレッション・ペダルか外部CVを接続して、パラメーターをコントロールすることができます。アナログ回路を直接コントロールしているので、スムーズなモジュレーションが可能です。
- VOLUME
- PAN
- FILTER CUTOFF
- WAVEFORM
- PITCH
- MOD2
- MOD1
- SAMPLE & HOLD IN
- ENVELOPES RATE
- LFO RATE
ACCESSORY PORT
各部のCV、GATE出力がマルチピンのDB-25コネクターで設けられ、VX-351 Voyager CV Expanderを接続することにより、本体CV、GATE入力とのパッチングで、モジュラー・シンセのように使用できます。
LFO SYNC: LFO波形を初期サイクルにリセットする。
ENV GATE: エンベロープに設定する。
S&H GATE: 新しいS&Hボルテージを発生する。
RELEASE: コントローラーパネルのオンに従ってデプレッションと同じようなエフェクトを設定する。
MIXER EXT IN 入力
ミキサー部へ外部の信号(楽器/ラインレベル)を入力します。
MIX OUT /FILTER IN
このジャックはTRSでMIX OUTとFILTER INに接続されます。MIX OUTはフィルターに入る前のミキサーのミックス信号が出力されます。ミキサーの出力は通常このジャックを経由してフィルターに直接送られています。このジャックにプラグを接続すると、この接続は切られFILTER INからフィルターの入力に外部信号が直接入力できます。このジャックは、組み合わせて、フィルター入力前の外部エフェクト・ループを構成するために設けられています。
AUDIO OUT 出力(ステレオ)
最終のオーディオ出力です。フィルターのスペーシングによってステレオ効果が得られます。
MIDI IN, THRU, OUT ジャック
MIDI機器を接続するための標準MIDIコネクター
外形:775 (W) x 457 (D) x 77 (パネル・フラット時), 305 (パネル直立時) (H) mm
質量:18Kg