Model 10
特徴
仕様
Model 10
1964年のMoogシンセサイザーの発明以来、世界の音が一変しました。
この新しい機材は音を各種要素に分解し、それぞれの出力を操作することで音をゼロから創り上げることができました。ミュージシャン、コンポーザー、アーティスト、そして音の探求者らがこの新しいデバイスを採り入れ、聴いたことのないサウンドを、新たな音楽スタイルを確立し、自己表現のフロンティアを開拓していきました。こうしたエレクトロニック・サウンドの実験の伝統は、今後も脈々と続いていくことでしょう。
Model 10は、1971年にロバート・モーグ博士が製作した最初のコンパクトなモジュラー・シンセサイザーを忠実に復刻したものです。ポータビリティを重視し、トーレックス仕上げの木製キャビネットに収められたModel 10は、極めて広範な音作りが可能なことで広く知られている「907フィクスト・フィルター・バンク」や、ウェンディ・カーロスの『スイッチト・オン・バッハ』、冨田勲の『月の光』などのサウンドを影で支えた「900シリーズ・オシレーター」3個を含む、11個のディスクリート・アナログ・モジュールで構成されています。
Model 15の先行製品であるModel 10は、純粋なサウンド、高い操作性、シンプルさに注力して開発しつつ、ビンテージのMoogモジュラー・シンセサイザーならではのずば抜けた音の深みや幅広い音作りを実現しています。
Model 10は、1971年当時のMoogファクトリー基準に沿って手作業で製作される、まさに真の復刻です。各モジュールは手ハンダで基板にパーツを取り付け、オリジナルと同様のワイヤリングで配線され、手作業で組み立てられ、50年の時を超えて再び生命を吹き込まれます。テストを経てからアルミ製パネルを取り付け、ハンドワイアードによる新たなモジュラー・キャビネットに収められます。
2022年版Model 10の主な特長
Model 10の各モジュールは50年前とまったく同様のワイヤリング方法で製造されます。各モジュールはテストを経てからアルミ製パネルを取り付け、専用キャビネットに収められ、あらたな「我が家」への旅立ちを待ちます。
本機は受注生産で、現代の音楽制作環境に対応すべく、次のような改良を施しています:
- 電源部の改良:100V、120V、220V、240Vの各電源電圧に対応しました。アメリカ以外でお使いの際でもステップアップ・トランス不要でお使いになれます。
- キャビネットのリアパネルを再設計し、電源スイッチ、電源ランプ、電源コネクター、アース端子、電源電圧切り替えスイッチを新しくしました。
- チューニングのキャリブレーションと安定性を向上させ、チューニングのズレが少ないタイトなキャリブレーションを実現しました。
モジュール
- 901 Voltage Controlled Oscillator x1
- 901A Oscillator driver x1
- 901B Oscillators x2
- 902 Voltage Controlled Amplifier x1
- 903A Random Signal Generator x1
- 904A Voltage Controlled Low Pass Filter x1
- 907 Fixed Filter Bank x1
- 911 Envelope Generators x2
- CP11 Console Panel x1
- 130W 120VAC Power Supply(オーダーにより230VACも可能)x1
付属ケーブル
- 6.3mm TSケーブル(約30cm):8本
- 6.3mm TSケーブル(約60cm):8本
- 6.3mm TSケーブル(約90cm):3本
- Sトリガー・ケーブル(約30cm):1本
- Sトリガー・ケーブル(約45cm):1本
オプション
- Moog 953キーボード(取扱未定)
- Moogシーケンサー・ユニットAポータブル(取扱未定)
- Moogシーケンサー・ユニットBポータブル(取扱未定)
質量および外形寸法
- 質量:22.67 kg
- 外形寸法:45.72 (W) x 24.13 (D) x 63.5 (H) cm