これまでの約20年、デジタル・プロセッシング技術はギター/ベース・アンプのサウンド再現にチャレンジしてきましたが、入念に設計されたチューブ・アンプのサウンドやフィールを完璧に再現するレベルには到達していません。しかし、その高いハードルを越える日がついに来たのです。
そのカギを握るのが、プロファイリングです。
プロファイリングについて
世界最高のアンプ
「プロファイリングをするほど良いチューブ・アンプなんて持ってないんだよな」と思われた方、それは問題ではありません。実は、プロファイルをオリジナルで作らなくてはならないということはないのです。 PROFILERには、手にした時からすぐに使える数百種類のアンプのプロファイルやエフェクトなどの設定をメモリーしたリグが入っているのです。これらのプロファイルやリグは、プロのミュージシャン、エンジニアが世界中のトップクラスのスタジオで制作したもので、貴重なアンプや最高のコンディションのアンプ・サウンドを厳選した、まさにプレミアム・コレクションです。 このコレクションをベースに、Kemperでは常にこれをアップデート、拡張させています。また、同じタイプのサウンドでも、そのサウンドの根底にある文化背景が異なるものもコレクションに加えていくように、バリエーションの細かさについても常に配慮しています。さらに詳しく
シチュエーション別PROFILERの魅力
レコーディング・スタジオ
PROFILERの出現により、レコーディングの手順が一変しました。最初にマイクをアンプに当ててプロファイリングをしておけば、その後はいつでも自由にそのサウンドやフィールを別のプロジェクトでのダビングなどですぐに呼び出せます。つまり、プロファイリングのための時間や費用は必要となりますが、これまではその後のレコーディングにも付きまとうマイキングなどの時間やスタジオ費用というプレッシャーから解放されます。 リアンプのケースも考えてみましょう。最終ミックスの作業中に、前にレコーディングしたトラックとまったく同じサウンドやレスポンスでリアンプができたら…。あるいはプロデューサーが別の曲でも同じギター・サウンドが欲しいと言っているだけで、レコーディングのセッティングを再びわざわざ組み直すこともなく、すぐに同じサウンドを使えたら…。PROFILERなら、それができます。ライブ・ステージ
レコーディング時にプロファイリングしておくという「初期投資」は、ライブでも回収できます。レコーディング時のアンプやマイクの複雑なセッティングをステージ用に再びセッティングする必要もなく、そのままのサウンドを再現できます。これまでのライブよりも良いサウンドになります。 PROFILERがあれば、キャビネットにマイクを当てたサウンドがプロファイルに入っていますので、ステージでキャビネットに改めてマイキングする必要はありません。ということは、ステージにキャビネットをわざわざ持ち込まなくても良いということになり、モニターは一般的なモニター・スピーカーで十分ですし、キャビネットを運ぶことで腰痛の危険や運送費も回避できます。バンド・メンバーやミキシング・エンジニアも、ナカ音での爆音の根源だったキャビネットをステージに持ち出さずに済むことで内心ホッとしているかも知れません。 それでも、ギタリストは本物のキャビネットが放つ、迫力があり、エネルギー溢れるサウンドをリハーサル・ルームやステージで主張するのが人情かも知れません。そんな場合でもKEMPER PROFILERならモニター出力からパワー・アンプを通してキャビネットを接続できますので十分に対応できます。もっとも手間がかからない方法は、600WのクラスDパワー・アンプを内蔵したPROFILER Powerです。モニター出力はバーチャル・キャビネット機能を独自にオン/オフできますので、アンプ・サウンドをダイレクトにキャビネットに送り出せます。しかもその状態で、PAへ送る回線にはバーチャル・キャビネットをオンしておくことができます。 これでキャビネットはギタリストのモニター専用として使用でき、PAへ送る回線の音量に関係なく、自由にキャビネットでのボリューム調整ができます。ホーム・スタジオ
ホーム・スタジオで好きなだけ大音量でプレイするというのは、極めて高いハードルです。チューブ・アンプのサウンドがゴージャスに鳴る音量は、近所中をギタリストの「自宅ライブ」で楽しませてしまう音量に匹敵します。Profilerなら、ゴージャスな「鳴り」をすきな音量で楽しめます。 ホーム・オーディオやヘッドフォンでもOKです。PROFILERの「Space」エフェクトを使用すれば、ヘッドフォンでもリアルな音場を再現でき、ヘッドフォンによる耳の疲れが起きません。オーディオ・プレイヤーをAUX入力に接続し、好きな曲に合わせて最高のアンプ・サウンドで思いっきりプレイできます。ラインナップ
STAGE
ミュージシャン待望のフロアタイプモデル。PROFILER Stageは単なるフットコントローラーではありません。PROFILER Head and Rackと同じ機能とサウンドを内蔵した完全なプロファイラです。
5つのフットスイッチで、直感的にリグ(セッティング)を切り替えることができます。
*PROFILER Stage本体にはパワーアンプは含まれておりません。
PLAYER
コンパクトなPROFILERフロアボード。PROFILER Player™は、プロフェッショナルなアンプ・トーンとスタジオ・グレードのFXを1つのフットプリントで提供します。標準的なディストーション・ペダル2台分のフロアボード・スペースしか必要としないPROFILER Playerは、あらゆるペダル・ボードをアリーナ級のツアー機材に変えます。まさに、Playerそのものが、ギター・バッグに収まるアリーナ・グレードのツアー機材なのです。自宅、スタジオ、リハーサル・ルーム、そしてステージで、KEMPERアンプ・トーン、FXセッティング、スイッチング能力をフルに発揮します。
HEAD
PROFILER Headはクラシカルなカーブが特徴の、4x12キャビネットによく合うフォルム。それでいて移動に便利な軽量コンパクト設計です。ホーム・スタジオのコンピュータの脇に置いても場所を取りません。カラーはブラックとホワイトの2タイプ。RACK
PROFILER Rackは19インチ・ラックマウント・タイプ。機能はPROFILER Headと同一ですが、ディスプレイ下のゲインを除くノブのLED、エフェクト・セクションのノブを省略しています。これによりわずか3Uスペースのコンパクト設計を実現しました。POWER
PROFILER Rack、Head(ブラックのみ)は、クラスDパワー・アンプを内蔵できます。出力は600W(8Ω)または300W(16Ω)。パワー・アンプは高品位オーディオやサウンド・システムで定評あるデンマークのICEpower社設計品です。スピーカーは、フラットなレスポンスのオーディオ用スピーカーだけでなく、ギター用スピーカー・キャビネットも接続できます。 クラスDアンプはエネルギー効率に優れた設計手法。放熱を最小限に抑えることができ、そのため大きなヒートシンクを必要とせず、軽量コンパクト化に大きく貢献できます。これによりKEMPER PROFILERのPowerHead、PowerRackは、まさにオールインワンのスマートなギター・ソリューションとして使用できます。PowerHeadでは重量わずか6kg強という軽量さを実現しました。 パワー・アンプは、シチュエーションに応じてオフにすることも可能です。レコーディング時など、ライン信号のみを使用するような場合に便利です。PROFILERエコ・システム
KEMPERでは、ツアー・バッグやPROFILER Remoteなど、専用アクセサリーのラインナップを拡充しています。 RigExchangeは無償で使用可能なクラウド・サービスで、オリジナルのリグ・データをユーザー同士でシェアしたり、数千にも及ぶリグ・データをダウンロードすることができます。また、リグ・データの管理に便利なWin/Mac用ライブラリアン・ソフトRigManagerも無料で使用できます。シグナルフロー
ルーティング・オプションについて
ストンプとエフェクト
Profilerは、世界中から選りすぐりのエフェクトを多数内蔵しています。KEMPERは、世界的に有名なAccess Virusシンセサイザーのメーカーでもあり、Access Virus成功の影には内蔵エフェクトも大きく貢献しています。このように20年近くのエフェクト作成経験は、PROFILERに内蔵のクラシックなエフェクト、新規性の高いエフェクトそのものだけでなく、絶妙なパラメーター設定を、手間をかけずに簡単に作り出せるアルゴリズム作成にそのまま活きています。 PROFILERの内蔵エフェクトの中には、フリケンシー・シフターやピッチ・シフターのフォルマント修正パラメーター、オーセンティックなロータリー・スピーカーや音楽的なディレイ・タイムのコントロールが可能なビート・スキャナーなど、ギター・エフェクトではあまり見られないものもあります。内蔵エフェクトについて
ディレイ
ディレイは、プロファイラーの中でも最も多様なタイプが揃いました。以前のディレイをご存知であれば、そのコンセプトが少し違っていることに気付くでしょう。例えばリバース・ディレイやテープ・エコー、ダッキング・ディレイといったタイプがありません。我々は、どのようなディレイ・タイプにも適応できる機能を別々のタイプに分けて切り離してしまうのは得策ではないと考えました。そこでこれらの機能を全てのディレイ・タイプに装備することにしたのです。これにより、デュアルのリバース・ディレイやアナログのような音質のシリアル・ディレイ、ダッキングのできるメロディ・ディレイなども可能となりました。Single Delay | |
---|---|
Dual Delay | |
Two Tap Delay | |
Serial Two Tap Delay | |
Rhythm Delay | |
Quad Delay |
ピッチ・シフター・ディレイ
ディレイと4種類の異なるタイプのピッチシフターを組み合わせたエフェクト・アルゴリズムです。 クロマチック・タイプ:クロマチック・ピッチシフターが、ディレイのインプットに配置されています。ピッチシフトの設定は半音階で、和音の演奏も可能です。 クリスタル・タイプ:リバース・ディレイの一種で、ディレイ音が早くなったり遅くなったりします。フィードバック・ループに配置されていて、繰り返しのたびにピッチの変化が積み重なっていきます。 ハーモニック・タイプ:ハーモニック・ピッチシフターがディレイのインプットに配置されています。選択されたキーとスケールに応じてピッチシフト音を生成します。 ループ・ピッチ・タイプ:クロマチック・ピッチシフターが、ディレイのフィードバック・ループに配置されていて、繰り返しのたびにピッチの変化が積み重なっていきます。Crystal Delay | |
---|---|
Loop Pitch Delay | |
Frequency Shifter Delay | |
Melody Chromatic Delay | |
Melody Harmonic Delay | |
Dual Chromatic Delay | |
Dual Harmonic Delay | |
Dual Crystal Delay | |
Dual Loop Pitch Delay | |
Quad Chromatic Delay | |
Quad Harmonic Delay |
リバーブ
Access Virusシンセサイザーに内蔵のものを継承した極めて高音質のディレイ、リバーブです。高音質であるだけでなく、スピルオーバー機能も内蔵し、リグ切替時にディレイやリバーブの残響部分が途切れず、スムーズに次のリグに切り替わります。 また、今後さらにディレイの新たなアルゴリズム拡充も予定しています。Space | |
---|---|
Hall | |
Large Room | |
Small Room | |
Ambience | |
Matchbox |
ディストーション
ビンテージのディストーション・ペダルの名機を忠実にモデリングしたコレクションです。また、アナログ回路では実現不可能な新規性の高いブースターやトーン・シェイプ・エフェクトなども内蔵しています。Green Scream | TS808、OD808をヒントにしたエフェクト |
---|---|
Plus DS | MXR Distortion+をベースにしたエフェクト |
One DS | BOSS DS-1をベースにしたエフェクト |
Muffin | Big Muffをヒントにしたエフェクト |
Mouse DS | ProCo RAT IIをベースにしたエフェクト |
Fuzz DS | Fuzz Faceをベースにしたエフェクト |
Metal DS | BOSS Metal Zoneをヒントにしたエフェクト |
ブースター
アンプのディストーション・トーンにそれぞれマッチするフィルター設定を内蔵したブースターのコレクションです。Treble Booster | |
---|---|
Lead Booster | 特定の帯域を自在にブースト可能なピーク・フィルターを内蔵 |
Pure Booster | サウンドに色付けをせずにブースト/アッテネートが可能 |
Wah Pedal Booster |
ピッチ・シフター
Profilerのピッチ・シフターは、現在最も先進的なピッチ・シフターの1つと言えるでしょう。単音の入力に対し、音質変化は最小限に複雑なコードを作り出すことも可能です。Vinyl Shopエフェクトでは、エクスプレッション・ペダルを併用してピッチを限りなく低く、しかも連続的にダウンさせることができます。また、ギター・エフェクトの世界では新しいテクニックも導入しています。例えば、Formant Freezeではギター本来のナチュラルなトーンはそのままに、大幅にピッチ・シフトすることも可能です。Transpose | |
---|---|
Pedal Pitch | Whammyペダルにインスパイアされたペダル・ピッチ |
Pedal Vinyl Stop | ピッチをゼロにします |
Chromatic Pitch | デュアル・ボイス・ピッチ・シフター |
Harmonic Pitch | デュアル・ボイス・ピッチ・シフター、知的なハーモニー・ヴォイスを作成 |
Analog Octaver |
モジュレーション
コーラス・エフェクトには、70年代のBBD素子によるトーンを忠実に再現したものや、80年代の極めてクリアなマルチ・コーラス、さらにKemper独自のピッチ・シフター・アルゴリズムをベースに開発したMicro Pitchエフェクトなどがあります。また、本物のロータリー・スピーカーのプロファイルを使用したRotary Speakerエフェクトは、オリジナルと区別が付かないほどリアルなサウンドです。Vintage Chorus | Chorus Ensembleをヒントにしたエフェクト |
---|---|
Hyper Chorus | 複雑に絡み合う6ボイス・コーラス |
Air Chorus | Jazz Chorusをベースにしたエフェクト |
Micro Pitch | ピッチ・シフター技術を応用したデチューン・エフェクト |
Vibrato | |
Rotary Speaker | Lesdiveスピーカーをベースにしたエフェクト |
Tremolo |
フェイザー&フランジャー
フランジャーはBBD素子によるアナログ回路のサウンドのエミュレーションです。一方フェイザーは、最大12段までの非常に複雑なモジュレーションを作り出すことが可能で、フェイザーのピークとノッチとの間隔を、独自の「Spread」パラメーターでコントロールすることもできます。 また、フェイザーとフランジャーのモジュレーション周期はテンポに同期可能です。Phaser | ステレオの各チャンネルで最高12段まで設定可能 |
---|---|
Phaser Vibe | UniVibe をヒントにしたエフェクト |
Phaser Oneway | |
Flanger | |
Flanger Oneway |
ワウ
このカテゴリーは、フィルターのタイプが異なるワウやローファイ・エフェクトがコレクションされ、ワウの多くはエクスプレッション・ペダルに対応しています。また、ペダル以外にもピッキングのニュアンスでワウをコントロールできるTouch Wah機能も内蔵しています。各ワウには、ペダル操作が停止すると自動的にエフェクトがオフになるオートオフ機能も内蔵しています。現在お使いのワウ・ペダルのシミュレーションもプリセットに入っていることでしょうWah Wah | 定番ワウのシミュレーション |
---|---|
Wah Lowpass | DJライクなフィルター・エフェクト |
Wah Highpass | |
Wah Phaser | ペダル操作でサンプルレートをダウン |
Wah Flanger | |
Wah RateReducer | ペダル操作でサンプルレートをダウン |
Wah RingModdivator | SF風エフェクト・サウンドの定番 |
Wah FrequencyShifter | |
Wah FormantShift | 入力音のフォルマントをコントロール |
コンプレッサー&ノイズ・ゲート
コンプレッサーは、入力音のダイナミクスを全帯域で圧縮する、いわゆる一般的なコンプレッサーと同様の動作ですが、Profiler独自の「Squash」パラメーターでファジーなコンプレッションを作り出すことも可能です。 ノイズ・ゲートはメインのノイズ・ゲートとは異なり、このセクションでの独自機能として、特にメタルなどで多用するパームミュートに最適なエフェクトです。Compressor | |
---|---|
Noise Gate 2:1 | ソフト・エクスパンダー(レシオ = 2:1) |
Noise Gate 4:1 | ハード・エクスパンダー(レシオ = 4:1) |
イコライザー
このカテゴリーには、パラメトリック、グラフィックの各種EQがあります。ほとんどのEQはアンプ・セクションの前段または後段に配置できます。Graphic Equadivzer | 8バンドのオクターブ配列、各バンド固定タイプ |
---|---|
Studio Equadivzer | 4バンド・パラメトリック(周波数、バンド幅、Q可変タイプ) |
Metal Equadivzer | BOSS Metal ZoneのEQ部をヒントにしたイコライザー |
Stereo Widener | EQを応用した緩やかなステレオ・エフェクト |
ループ
外部エフェクターを接続するために、Profilerは、アンプの背面にハードウェア・エフェクト・ループを提供します。Stompモジュールのいずれか、またはエフェクトセクションのXまたはMODに適用できます。Loop Mono | |
---|---|
Loop Stereo | |
Loop Distortion |